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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

「ハラハラ」2

「ハラスメント」って何のために、何を目指して、どういう根拠で、言われてるのでしょうか?

分かる人にしかわからない言い方になってしまい申し訳ないですが、「コモンセンス(日本語では「常識」「良識」と訳しますが、自分の語感で勝手に意味を作り上げないこと)を持て」ということだ。私はそう理解しています。まちがってますか? これは大まかに言うならヨーロッパの思想、特に英国法の基礎になる思想だと思います。

「ハラスメント」が問題にしている事柄については、日本ではこういう「良識」アプローチのほうがいいんじゃないかなーと思います。(「イヤだ」とか「かわいそう」とかそういう「感情」で決めるのではなく、大人の理性的判断力に訴えるアプローチということです。)

「ハラスメント」アプローチは、ルールの大好きなアメリカからの輸入ですが、アメリカと日本では、社会正義の考え方やルールの社会的意味がぜんぜん違うのです。彼らは、自分たちでルールを作ってルールを生真面目に守ることが大好きで、また、そのルールについてもいつも問題にし、必要に応じてまた自分たちでルールを作りなおす、とてもアクティブな人たちです。

僕は、ニューヨークのユースに、電話で約束した時間から5分遅れて着いたら、すでにキャンセルされていてキャンセル待ちの人に権利が回されていたことがあります。「困るよ!」と僕なりに議論しましたが敗北。夜の街へ追い返されました。はるばる日本まで駐車違反の罰金請求書が送られてきた友人もいます。

一方日本の文化はちょっと違いますね。そこで、「一回でも、相手がイヤだと思ったら○○ハラスメントです!」なんて言われたら、震え上がって、思考停止状態に陥って、形だけ従って、さらに下手したら自分勝手な解釈の「ハラスメント」信者になってしまう。

そうやって、悪乗りした一部?マスコミが「ハラスメント」市場を作り上げる。流行語大賞を獲得する。「ハラスメント」産業ができあがる。それを見た人が、言葉の断片を妙なつなげ方をして、根拠と筋の混濁したイメージで、場合によっては環境型、対価型の強制をしてくる。「ハラハラだよー!」

「ハラスメント」アプローチは、むしろこの国では権威主義的思考停止のハラスメント・メンタリティを再生産してるだけじゃないか? 倫理の専門家(としておかないと「モノ言えば唇寒し」の情報社会)として、最近そう感じます。