2007-01-01から1年間の記事一覧
国民年金は国民のための福祉サービス。 社会保険庁の回し者ではないが、国民(厚生、共済)年金、つまり公的年金はおトクなようだ。 その計算は多々ありうるが、ひとつの角度から概算してみよう。いま、国民年金保険料を1万3千円/月で払うとして、40年間払っ…
『ダメジン』は、あからさまに体制の外側に放り出されたひとびとを超体制的な自由(なぜか「インド」が象徴する)に近い人々として祝福する。だが彼らは、体制に対して脆弱である。で、すったもんだの末、反体制として体制に反逆したり、「ここがインドだ」…
11月に見た映画。しばらくこのブログも書いてなかったので、ずらずら紹介していこう。『かもめ食堂』:大事なものを大事にしていくという、当たり前のことに気づかされた。 かもめ食堂はフィンランド、ヘルシンキに、日本の若い女性がひとりではじめた、日本…
「社会づくりと言葉」という題で、市民参加のまちづくり、その思想的背景について話した。http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/academ.ppt静大生に向かって講義するのとは違って、自分の祖父母や親の世代の人たちがメイン、すこし自分と同世代の人が…
日々の仕事に追われているうちに後期がはじまりました。ガバナンス論演習の授業も終わったことだし、また、自分の好きなようにぼちぼち書いていきたいと思います。後期「科学者の社会的責任」の修正シラバス、アップしておきました。http://www.geocities.jp…
今期、先に挙げた2つの授業で映画を用いてみた。以下の二点を論じることで、思想的テーマを意識し、検討するための手がかりとした。,修留撚茲離瓮奪察璽犬浪燭を解釈的に検討する△修離瓮奪察璽犬梁電?を批判的に検討する,砲弔い討蓮⊆腓縫好函璽蝓爾鮟纏襪…
認知科学、美学・博物館学、哲学・倫理学の3人の教員で、3つの角度から主題を論じた。私は、もちろん哲学・倫理学的アプローチ担当。評価各教員の評価25点×3+最終授業での期末レポート25点・吉田の課題 リアル/ヴァーチャルの区別、ヴァーチャル世界の倫理…
この授業では、古代から現代までの思想家を毎回1人か2人づつ、「善く生きる」ということと「社会づくり」という観点から、紹介しました。評価ミニレポートが3回×期末課題(A)レポート試験「人間らしく生きる」「人間らしく生きることができる社会」か、B)…
前期の授業が終わって、ほっとしたのもつかの間。毎日レポートの採点に追われています。この場を借りて、前期の授業のレポートへのコメント、採点基準などと、レポートを受けての授業全体の簡単な総括とを、順次出していきます。レポート返却についてレポー…
利潤を求める主体は公共サービスを提供できないか? そうでもない。鉄道、通信、マスコミ、医療、他、企業や営利団体によって提供される公共サービスは多い。広告が提示される以上、公共的な空間とはならないか? そうでもない。テレビ(民放)は一定の公共…
台風が接近している夜、なぜか心がざわめいてよく眠れなかった。窓の外で激しく降る雨に、親しい人びと、どこかで一度会っただけのひと、町の人びと、次々に思い出される。どこかで自分の家を持たない人も、かろうじて雨風を避けているかもしれない。「ハー…
「公共性」とは何かについて、宿題でもあるので、さしあたり手持ちの材料で私自身の立場を簡単に示したい。共同性と公共性は(しばしば排他的に)区別される。公共性が「万人に対して開かれた」という公開性によって定義され、共同性はある種の閉鎖性を含意…
6月20日付けの「mixi商業化?」エントリに、思わぬ数のコメントが寄せられました。また、kuso2731さんに続きredtail2733さんもこの話題に関連するエントリを立ててくれています。商業的サービスと公共性の問題、SNSと公共性の関係については、面白い情報交換…
応用論は、「情報学」について考えつつ研究室選択につなげるという授業です。手元にレポートがないので記憶を頼りに。1:先生の「情報学」とは何か、をズバッと言ってほしかった。私自身の関心や卒研テーマ例の簡単な紹介をしましたが、あれが私の考える「…
kuso2731さんにコメント記事をいただいたので、こちらでいただいたコメントも合わせて「続」を書いてみます。コメントの批判は、1:無料サービスであるmixiに広告はつきものであること2:商業的サービスである以上その収益源を断つことはできないこと3:…
最近、ブログ演習のほうもラストが近づいたせいか、あるいはredtail先生の担当会が始まったせいか、エントリが増えてきました。演習の皆さんのエントリをときどき読むことを楽しみにしていたので、うれしいです。ただ私は残念ながらテレビにほとんど興味を持…
『モモ』は児童文学、ファンタジーの分野ですぐれた仕事を残したミヒャエル・エンデの代表作の一つだ。3,4年前に入手し、ずっと読むタイミングをはかっていたが、昨日体調を崩して自宅で静養していたとき、ふと読むべき時がきたような気がして、手に取り、一…
本日、mixiに問題を感じ、以下のメールを送りました。返事が返ってきたら、問題のない範囲でここに公開する予定です。私と同様の印象を持った方はいるでしょうか?あるいはそうではないという意見、逆の印象を持った方はいるでしょうか?mixiユーザの率直な…
「一貫した主張を持つこと」人が人として信頼できるかどうかはここにある。どこから話を始めようか。矛盾からはどんな命題でも導出できるという論理学の定理がある。つまり、基本的主張の矛盾している人は、その先、その基本的主張をベースに何でも主張し得…
一貫した自分の主張を言葉としてこの世に生み出すこと。これは、私の卒研指導の方針の第一である。研究には、取り組むべき問題があり、その問題についての主張があり、その主張を正当化する理由と証拠がそろっていなければならないとされる。問題やテーマは…
「大学」とはどういう「場」であるか。あるべきか。「学問の自由」とはどういうことか。精神と活動の自由。大学は個人の自由な発想が居場所を与えられ、支援される場所である。だから、特定の考え方や振る舞いが正当な理由の説明と同意なく強制されることは…
研究会は今週の土曜の午後(J2729)ですが、学外のいろいろな分野の人が来ます。興味ある向きは来聴歓迎です。「ガバナンス」というのはつまりは「自治」のことで、自分たちで自分たちのことをどうやって舵取りしていくのかということです。人間は一人で生き…
tetsuyasatoさんの「スリーテンを振り返る」のリアリティの話に寄せて。ある問題にリアリティを感じられるかは、難しい問題だと思います。もしリアリティがないならその人にとって問題は問題ですらないわけで、向かい合う意味もなくなってしまう。学問には、…
『ドグラマグラ』(社会思想社「現代教養文庫」980円)という知る人ぞ知る物語がある。鬼才、夢野久作の作品で、読めば不思議な心の世界にひきずり込まれ、読むものに強い印象を残すだろう。私もまた若かりしころに読んで、その不思議な世界に浸ったものだ。…
ようやく発足一周年を過ぎた情報学部の自主ゼミ「ガバナンス研究会」はとにかく「活動」(H. アーレント)を重視してきました。この研究会は、もともと私の前任者の学生の卒業論文を、前任者のゼミ員と後任の私が一緒に検討しようという、非公式の卒研ゼミと…
インディアン・ポーカーは、妙なゲームです。伏せたトランプひと組から各自が一枚ずつ取って、そのカードを自分では見ずに人にさらす(そのために自分のカードを相手に向けて自分のおでこにかざす)。お互いに、自分以外のカードをよく見比べて、賭けるか勝…
力の入って恥ずかしいエントリを下に押しやるために、囲碁の宣伝をします。私の囲碁履歴:子供のころに父親やじいさんに教わったが、将棋の方がなんとなく好きで、囲碁はまじめに勉強したこともなく、ルールに毛の生えた程度にしか打てないまま、現在にいた…
がまん神殿で、vanyaさんは22日づけの「3-10 感想」に対する批判的エントリを書いてくれました。強めに打ち返してみます。まずリアリティ(実感という程度のいみ?)のない問題設定に対しては、リアリティのある判断はできない、とのコメントには同意します…
redtail2733さんが、3-10ゲームでのステレオタイプ・イメージについて書いています。「社会の役に立つのは理工系だ」というのは確かに現代日本社会の先入観の一つだと思います。私自身も人文社会系で生きることにした(なった)人間なので、同じ立場のIDの学…
次回の情報モラルデザインの授業では、以下の論題についてディベートを行ないます。「合法的な機関や運営者によって、合法的でない手続きによって定められたルールに従う義務はない」これについて、肯定側、否定側に分かれて意見を出し合ってみましょう。注…