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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

日記

ゴダールの「悪魔への共感」(Godard's "Sympathy for the Devil")

I want to write just my feeling to Berekeley, America, Society of nowadays compared 68's. Godard's "Sympathy for the Devil" is very impressive. It is full of struggle in social problems. And these social problems are still in the world, wo…

「アイスバケツチャレンジ」の社会的意味論 (論争への批判的観点)

参加する側、拒否する側の双方の議論に懸念を感じたので、このブログはあまり時事問題は扱わないが、私の研究からひとこと記しておく。 ある観点から、参加する側の議論にも、拒否する側の議論にも、一定の慎重さと配慮を求めたい。 ただし、ALSへの支援状況…

在外研修@UC Berkeley(2014-2015)に出ました

個人的な報告ですが、4月よりUC Berkeley(写真1)への一年間の在外研修に出ています。 これは勤務先である静岡大学のサバティカル制度(教員特別研修)によるものです。 6月下旬には家族がBerkeleyに滞在し、研究の傍ら、しばらく一緒に生活、観光を楽しみ…

『危機と人間』、『アーレント』と『森の海』 2

映画「ハンナアーレント」を見た。東京最後の上映日、下高井戸の小さな映画館で、立ち見も出ようかというぐらいに、補助席が追加されたそのパイプイスで。雨にも関わらず、ひそやかにあつまって、狭い部屋のなかで、学生時代のように。「映画『ハンナ・アー…

『危機と人間』、『アーレント』と『森の海』 1

『情報学研究』という静大情報学部で発行する雑誌の中で、「誌上シンポジウム 危機と人間」という企画に、「危機の時代とリアリティに基づく言葉」というエッセーを寄稿した。その後、このテーマに関連して、映画『ハンナ・アーレント』(マルガレーテ・フォ…

【学マネ2013】 「学び方を学ぶ」とは?

「大学での学び方」とは? 大学の学習では、高校のときの受験勉強ような、教科書の内容を丸暗記するとか、演習問題を解けるようにトレーニングするという内容は少なくなっていきます。その替わり、先生がいきなり難しい話題を提供するだけ、とか、グループで…

権力と暴力 情報社会をデザインするために欠くべからざる視点

権力と暴力 「情報社会思想2013」ガイダンス 今期の吉田のテーマは情報社会と権力でいきます。 授業では個別領域と事例を取り上げますが、ここではなぜ権力の問題なのか、一般論を示します。 権力とは、強制力のことで、それはつまり自分の意思に人を従…

「愛」の逆転スペクトル

「逆転スペクトル」 「逆転スペクトル」問題は、次のように示される。信号機の青、赤、黄について、私とあなたの判断は一致すると思えるかもしれないが、じっさいに見ている色は一致していないのかもしれない。もしかしたら、あなたが赤で感じる色の感覚を私…

『バーバー吉野論』(ネタバレ御免) 2

この物語は、身の回りにある社会構成による社会的支配 に気付いて、団結してそれを変革せよ、それは可能だ、 というメッセージをまず想起させる。しかし、これはあ まりにありがちであると同時に、作品中にこうした読み から逸脱する展開が多々用意されてい…

『バーバー吉野論』(ネタバレ御免) 1

この物語の中の「町」(神のゑ町)では、男の子の髪型 は「吉野ガリ」と決まっている。これは、いかにも不自 然で奇妙なしきたりだが、町の人にとってはそれが「自 然」な「伝統」となっており、誰もそれを疑わない。坂 上君からみれば、男の子も大人と共に…

哲学2013 連休課題

情報社会における人間存在や人間活動についての評論者として知られ、基礎情報学を展開してきた西垣通は、『ウェブ社会をどう生きるか』(岩波書店(岩波新書、2007年)という5年ほど以前に出版された本の中で、web検索技術の発達や「web2.0」と呼ばれた潮流…

パブリック・ガバナンス論2013 連休課題

パブリック・ガバナンス論3013 連休課題 近年、ツイッターに代表されるソーシャルメディアの伝道師の役割を果たしてきた津田大介は、次のようにつぶやいて、失礼! 論じている。 2点挙げるので、どちらかを選び、その趣旨について簡潔に説明し検討せよ。 A4…

「災害臨時FM」の現状について ガバナンス論 試験問題より

2011年度「ガバナンス論」試験について、赤尾さんのブログ8月2日付けで赤尾さん担当分の解答が出ています。 http://gov.oops.jp/index.php?ID=283 ありがとうございます。私も自分で解答・チェックしてみました。 問4の「臨時災害FM局」について興味ある話…

創造的な講義のために

学生が、講義中に意見や質問を求めても、なかなか質問や意見を出さない気がする。 話す方はまるで壁に向かって話しているような感じだ。 なんだか退屈なわりに疲れるし、知的な側面において、いいことなしだ。 もちろん、教員の中にある特定の知識を学生の頭…

【哲学2011】 『バーバー吉野』2 「伝統は伝説になる」

子供たちは、秘密基地、登下校中に、おおいに大人の目の届かないところで自由に遊び、考え、作戦を練っている。こういう彼らは、現代の日本社会において、もっとも自由な子供たちであると言ってよいだろう。さらに、学校でも家でも、先生や親の目はあるもの…

【哲学2011】 『バーバー吉野』1 「町の抑圧的権力を打倒?」

哲学の授業で、標題の『バーバー吉野』(監督:荻上直子)を鑑賞した。男の子が皆同じ髪型(吉野ガリ)を強制されている小さな奇妙な町の物語である。これについて、授業で論じてきた「主体形成権力」「環境管理型権力」「自由」「メディア」「社会構成」な…

東日本大震災 被災地支援活動 今後に向けて

支援活動は、若干遅れつつもいずれもわれわれの計画通り、いや、多くの方の力を得て計画を超えて、進んでいます。現地の復興自体はまだ緒についたばかりなのですが。いま、ここまでの活動の現状と活動の今後について、あくまで個人的な思いを書きたいと思い…

合意論2011

公共性論、参加論を踏まえて、今回はガバナンスにおける「合意」について書こう。私の授業では、ガバナンスをシステムとして形式的に見るのではなく、そのシステムを作りそのなかで生きている主体のあり方に着目して議論を進めてきた。その上で、民主的ガバ…

参加論2011

まずは、参加論2010と参加論2009をご覧下さい。民主的なガバナンスにおいて、参加が本質的に重要であること、不参加の問題が大きな問題としてあることを論じている。参加論2010 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yoshida_inf/view/20100511/1273544922参加論…

東日本大震災 被災地支援活動(4月29日-5月8日)報告 参加型プロジェクト

連休を利用して山元町の支援活動に入りました。連休までの活動、連休の活動計画、実際の活動に分けて活動の趣旨と活動体制について記述します。これまでの活動 3月中旬より、現地拠点と東京本部を置き、継続的に町や現地協力者、協力企業、支援者などと連携…

ガバナンス論 【公共性論2011】

標題のように書いてみたものの、新しい記事の追加はなしです。下記、リンクから公共性論2010、公共性論2009を参照ください。http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yoshida_inf/view/20100427/1272336884公共性論2009年で触れた「鴨川ガバナンス」の論点は、浜松…

東日本大震災 被災地支援活動(4月5日-4月18日)報告

東日本大震災被災地支援活動・視察活動に出かけてきたので、その報告をします。活動地:宮城県山元町活動母体:JSIS-BJK災害情報支援チーム(代表:柴田國臣:大妻女子大)日本社会情報学会若手支援活動(JSIS-BJK)+協力者(@nifty、他有志)活動内容:情…

学習マネジメント コメント

情報学部1年生(社会学科)「学習マネジメント」の成績をつけたのでコメントをあげておきます。この授業は、主に「監視カメラの許容範囲」「ビデオゲームと賢さの関連性」2つのテーマについて、グループで意見をまとめるというプロジェクトを通して、協調学…

内面から外面へ 監視カメラと犯罪

「監視カメラ」と犯罪の問題について調べものをしていて、思ったこと。監視カメラの設置を後押ししている考え方に、「犯罪原因論」から「犯罪機会論」へという議論があるようだ。直近の動向は分からないが、この数年でこうした言説はずい分と活字メディアやw…

「情報社会において個人の自由は存在しない」

先日の授業のディベート論題です。論題の用語定義自由:強制ないしコントロールされずに本質的に自らの意思に従って行為できること。ただし、他者の自由を自らの行為によって自らの自由以上に侵害することを避ける目的で、その程度に応じて自らの自由が制限…

【情報技術思想論】今年度の作品一覧

今日の情報技術思想論は、「博士の異常な愛情」を扱うことにします。先週受講者からとったアンケートを参考にして、次の作品を扱うことにしました。1:「モダンタイムズ」すでに終了2:「博士の異常な愛情」3:「攻殻機動隊」4:「イヴの時間」5:「マ…

【ガバナンス論演習】フリーライドについて

今年度の私の担当会の最終テーマは「フリーライド」にしました。参加論で論じたように、フリーライドはガバナンスを構築・運営していく上で一つの大きな問題です。フリーライドとは何か、どんな種類があるのか、どうして起こるのか、どういう問題があるのか…

【ガバナンス論】 合意論2010

合意は、「グッド・ガバナンス」の基本性格と考えられている。合意は、そのガバナンスが成員たちにとって納得のいく舵取りなのかどうかに関わる。納得のいく社会を作りたい、納得のいく社会で自分の人生を生きたいと思うなら、合意論はガバナンス論の一つの…

【ガバナンス論】 参加論2010

前回は、斉藤による公共性概念の分析を踏まえて、ガバナンスにおける「公共性」の理念について考えました。今回は、こうした理念を実現しようとしてガバナンスを実践する上でもっとも重要なファクターとなるであろう「参加」について考えてみましょう。2009…

【ガバナンス論】 公共性論2010

今年度のガバナンス論では、第一回にはガバナンス論概説として、「ガバナンス」という観点の登場とその概要を紹介しました。第二回では、ガバナンス論の諸相として、ローカルガバナンス、メディアガバナンス、インターネットガバナンス、コーポレートガバナ…