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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

#映画レビュー

『蟲師』の思想1 「枕小路」

【哲学2015】 日本の思想 4 『蟲師』の思想1 「枕小路」 前回まで、西洋哲学の基本的概念を古代、近世・近代、現代と確認してきた。「魂」「イデア」「観念」「意識」「主観」「社会」「他者」「自然」といった概念を確認した。今日からは、これらの概…

『蟲師』3 「柔らかい角」

『蟲師』3 「柔らかい角」 すべての物音が雪の中に消失したかのような雪深い里の冬、耳がおかしくなった村人たちをギンコが救う。 あまりに静かな雪深い里を訪れたギンコは、音が聴こえなくなった村人たちの耳に音を食べてしまう「吽(うん)」」という蟲を…

哲学2015 『蟲師』2 「瞼の光」

『蟲師』2 「瞼の光」 スイは目にマナコノヤミムシという蟲が入って盲目になっており、倉に閉じ込められている。だが、盲目であるがゆえに、第二の闇というべき静かな暗闇のなかで蟲の世界をみることができる。しかし蟲を見つめすぎると、目玉を喰われてし…

ゴダールの「悪魔への共感」(Godard's "Sympathy for the Devil")

I want to write just my feeling to Berekeley, America, Society of nowadays compared 68's. Godard's "Sympathy for the Devil" is very impressive. It is full of struggle in social problems. And these social problems are still in the world, wo…

『噂の女』(溝口健二、1954年) 近代化・ジェンダーの向こう側

UCバークレーの Pacific Film Archiveでは、6月-8月にかけて、日本映画の巨匠とされる溝口健二(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%9D%E5%8F%A3%E5%81%A5%E4%BA%8C)シリーズを上映している。 溝口作品を1946年の『歌麿をめぐる五人の女』から1954年の『…

『バーバー吉野論』(ネタバレ御免) 2

この物語は、身の回りにある社会構成による社会的支配 に気付いて、団結してそれを変革せよ、それは可能だ、 というメッセージをまず想起させる。しかし、これはあ まりにありがちであると同時に、作品中にこうした読み から逸脱する展開が多々用意されてい…

『バーバー吉野論』(ネタバレ御免) 1

この物語の中の「町」(神のゑ町)では、男の子の髪型 は「吉野ガリ」と決まっている。これは、いかにも不自 然で奇妙なしきたりだが、町の人にとってはそれが「自 然」な「伝統」となっており、誰もそれを疑わない。坂 上君からみれば、男の子も大人と共に…