blog2735

Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

2009-01-01から1年間の記事一覧

合意形成 やる気が萎える人へ

なんだか忙しくて、自分の担当回が終わってから、すっかり受講者のブログを読むことができていませんでした。遅くなってしまいましたが、これから皆さんのブログを読みなおしつつ、考えつつ、コメントなど書き込みつつ、面白いことを見つけたらそれについて…

【モラルデザイン論】 おまけの話題 学生への解答  「「愛」について2」

先日の、「愛」についてについて、授業で解説したところ、意外にもと言うべきか、多数のコメントをもらったので私なりに解答します。授業では、「愛」のリアリズムと社会構成主義を解説し、「バーチャルな愛」と呼びたくなる「愛」の形をどう考えようか? と…

web3.0ってわけではないが、、

『グーグル・アマゾン化する社会』(森健著、光文社新書)を読んで考えたことを書き留めておこう。この本は、同様にグーグル、アマゾンを例にとってweb2.0といった新しい情報社会像を説明した梅田の『web進化論』(ちくま新書?)と合わせて読むのが面白いだ…

【モラルデザイン論】 おまけの話題 「「愛」について」

「愛」について授業で扱ったテーマ「公共」をつくる「私」としての市民(市民論)「公」権力によって監視(監視論)・管理(ゲーム化)される市民としての「私」こうした情報社会における公私の論議の中で、自由意思、共同性、暴力性、芸術性(ないし感性…

【情報モラルデザイン論】資料 情報社会のゲーム化

「ゲーム化する情報社会における<私>の倫理」吉田寛「情報社会は「ゲーム化した社会」である。そこでは、三人称としての「私」は残るものの、一人称の<私>の場所はない。」「ゲーム化した社会」を再考しよう。始まりを1970年のボードリヤールの議論に置…

【技術思想論】『ナウシカ』を取り上げます

今日は、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』から考えます。先週の「博士」では核戦争の話だったので、今週は核戦争後の地球です。作品はあまりにも有名で、子供でも楽しめますが、技術思想としてはあれこれ検討する材料に溢れています。今回は特にユートピア思想…

【モラルデザイン論】市民論

まず、共同担当教員による先行する議論を私なりに整理し直して、その上で私の観点を提示しよう。授業資料としては2007年度の「ガバナンスをめぐる公私」を参照されたい。また、このブログに書いた今年度の【ガバナンス論】「公共性論」(2009/4/28)、「合意…

【リアル】【技術思想論】【モラル】授業コンセプト

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/hakase.jpg 標題の3年生向けの授業では、主にこれから私の担当パートが始まります。重複して履修している学生も多いだろうから、授業コンセプトの切り分けをここで確認しておきます。授業は3つですが、私自身の関…

『砂の器』 社会と情報の淵について 【1】

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/suna.jpg ある作品に深く感じたとき、それを言葉にしたい、誰か自分と同じかあるいはもっと深く感じた人と作品について語りたいという気持ちと、言葉にはしたくない、誰かと話して何かを損なってしまいたくないと…

『砂の器』 社会と情報の淵について 【2】

【1】のつづき『砂の器』は、Amazonではミステリーのジャンルに入れられていたが、物語は、ある殺人事件について、刑事が断片的情報をつなぎ合わせて、被害者の関わる過去を明らかにしていく。「個人情報」とは無機的なデータのことだと思っているひとは、…

【ガバナンス論演習】レジュメ・中間アンケートへのコメント

先の火曜日の授業で、ガバナンス論演習のレジュメ作成が終了し(発表はまだ残っています!)、また中間レポートも書いてもらったので、コメントしておきます。まず、レジュメ作成全部で4回作成してもらいました。これは、ガバナンスに関する問題について議論…

【ガバナンス論演習】温暖化と専門家の役割について(1)

授業では、最初にガバナンスをめぐる歴史的な背景とガバナンスの基本的な性格を提示した。ついで、公共性、合意、参加という視点からガバナンスを検討してきた。今年度のガバナンス論&演習で私がしゃべる時間は今日でおしまいなので、最後にガバナンスにお…

【ガバナンス論演習】温暖化と専門家の役割について(2)

温暖化と専門化の役割(1)の続き------------------------------------しかし、専門家は神ではないゆえに、判断が100%正しいとは限らない。専門家の間には、温暖化にも、温暖化ガス規制の「エコ」にも反対する者がいる。『科学者の9割は「地球温暖化」CO2…

谷中地区のまちづくり運動

谷中地区は、東京都台東区の一角である。上野公園のある台地の続きで、公園の北側に広がる谷中墓地とその周辺に残された古い住宅街である。山手線で言えば、上野-鶯谷-日暮里-西日暮里の西側であり、地形的には台地とその千駄木の谷へ降りる斜面、斜面を降り…

【ガバナンス論3】 参加論

参加は、ガバナンスの基本的な性格のなかでも、ガバナンスの正否を分ける重要なものだ。ガバナンスがトップダウンによる一方的な権力の行使ではないのであれば、関係者は自ら自分の場所を見つけ、自分の果たすべき役割を果たさなければ、そのグループは機能…

馬車道商店街

今日は、合意形成の社会調査で横浜の馬車道商店街にインタビューに来た。馬車道商店街は、横浜開港以来の歴史あるまちで、その当時からとまではさすがに分からないが、昭和40年代から連続して活動をつみ重ねてきたところが特色である。また、歴史博物館があ…

【ガバナンス論2】合意論

ガバナンスの語源は「舵取り」であると言われる。「舵取り」の内実は、しばしば船の方向を決めることと、その方向に向かって漕ぐことと考えられている(ex.Bevir)。ガバナンスはしばしば、合意形成と秩序形成の仕方とされるが、「合意」とは、こうして社会…

【応用論】 吉田研究室

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/goverken.jpg 本日の応用論で、私の情報学と私の研究室について話しました。「情報学」というのはことばにすぎないのであまりこだわりすぎても仕方ありません。要は、その枠組みの中で何ができるかです。私の関心…

【ガバナンス論1】公共性論

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/edpublic.JPG ガバナンスは、自発的協働による自治とでもいったものだが、それは公共性の思想を現代社会において体現しようとした動きである。日本語の「公共性」には、斉藤純一『公共性』(岩波)のイントロによ…

【シス・ネット論資料】京都・鴨川ガバナンス

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/hanateibou.jpg 鴨川は京都に住んできたひと、京都で学生時代を送ったひと、京都を訪れたことのあるひとびとの多くにとって、言葉では語りきれない思いの詰まった心の川である。ここで触れたいのはそのある一面に…

【新セミ資料】 大学にて聞く、書く、話すの基本

話の聴き方、ものの見方(考えるひとはメモる。メモらないひとには何も残らない。) メモは情報にカタチを与える最小限の表現だ。要領よく必ずメモをとる。 話や黒板を丸写しはしない。 理解しつつ自分なりに整理する。 自分の思いつき、質問事項もメモる。…

講義さまざま ライブ性

赤尾教員の4月15日「自主的に勉強すること 」で、「衝撃的だった授業」として以下が紹介されています。最初の授業時に教員から「読むべき図書のリスト」と「課題(複数から択一)」が示されます。「各自,自由に本を読んで勉強するように。この時間は私は確実…

家貧しくて孝子出ず

今日のガイダンスで触れた、学部での自主ゼミ、自主活動について、私はいくつか関わっていますので、紹介しておきます。「ガバナンス研究会」 授業時に紹介した通り、学部・プラグラム・研究室・学年を超えた、学生同士の自主勉強会。自分の興味あることを発…

ガバナンス論&演習に参加

新学期がはじまりました。今年度も、「ガバナンス論演習」では恒例となっている赤尾先生のブログ演習があります。そこで、このBlog2735も演習に参加します。ガバナンス関連の話題やコメントが多くなると思いますが、その他の話題でも、気がついたこと、考え…

私事ですが、

まったくの私事ですが、この3月に結婚しました。出席いただいた方、お手伝いいただいた方にはありがとうございます。また、招待したかった方、すべきだった方で、人数や交通、健康、その他の理由でお呼びできなかった方には失礼しました。式は遠州森町の小国…

本を出しました

このたび自分の著作を出版しました。 『ウィトゲンシュタインの「はしご」』、ナカニシヤ出版、2009年、\4,200 これは、京都での大学院時代に研究したウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』(『論考』)という本についての、研究書になります。 4年前に完…

「哲学」「ロボット」「ゲーム」

【フロムページ】《夢ナビ企画》に去年送った原稿がwebに公開されているので、紹介します。高校生向けに、情報学や哲学のイメージがわくように作った説明です。ご笑覧ください。[フロムページ] http://frompage.jpここの『夢ナビWeb』に掲載されています。…

帰国報告&考えたこと Changing We

年明けの浜松に帰ってきました。真夏から真冬へ。さすがにギャップは大きかったです。オーストラリアは移民の国で、近年はアジアから多くの移民を受け入れているらしく、シドニーの町ではさまざまな人々が入り混じって歩いていました。日本に戻ってくると、…

新年おめでとうございます。

今年は、オーストラリアのシドニーで、新しい年を迎えました。出発前に年賀状を出す余裕がなかったので、今年はweb上で新年のご挨拶をさせていただきます。昨年は、就職して3年目になり、ようやく職場の雰囲気も分かってきました。同時に、いろいろと仕事も…