blog2735

Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

#練習用

【哲学2011】 『バーバー吉野』2 「伝統は伝説になる」

子供たちは、秘密基地、登下校中に、おおいに大人の目の届かないところで自由に遊び、考え、作戦を練っている。こういう彼らは、現代の日本社会において、もっとも自由な子供たちであると言ってよいだろう。さらに、学校でも家でも、先生や親の目はあるもの…

【哲学2011】 『バーバー吉野』1 「町の抑圧的権力を打倒?」

哲学の授業で、標題の『バーバー吉野』(監督:荻上直子)を鑑賞した。男の子が皆同じ髪型(吉野ガリ)を強制されている小さな奇妙な町の物語である。これについて、授業で論じてきた「主体形成権力」「環境管理型権力」「自由」「メディア」「社会構成」な…

東日本大震災 被災地支援活動 今後に向けて

支援活動は、若干遅れつつもいずれもわれわれの計画通り、いや、多くの方の力を得て計画を超えて、進んでいます。現地の復興自体はまだ緒についたばかりなのですが。いま、ここまでの活動の現状と活動の今後について、あくまで個人的な思いを書きたいと思い…

合意論2011

公共性論、参加論を踏まえて、今回はガバナンスにおける「合意」について書こう。私の授業では、ガバナンスをシステムとして形式的に見るのではなく、そのシステムを作りそのなかで生きている主体のあり方に着目して議論を進めてきた。その上で、民主的ガバ…

参加論2011

まずは、参加論2010と参加論2009をご覧下さい。民主的なガバナンスにおいて、参加が本質的に重要であること、不参加の問題が大きな問題としてあることを論じている。参加論2010 http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yoshida_inf/view/20100511/1273544922参加論…

東日本大震災 被災地支援活動(4月29日-5月8日)報告 参加型プロジェクト

連休を利用して山元町の支援活動に入りました。連休までの活動、連休の活動計画、実際の活動に分けて活動の趣旨と活動体制について記述します。これまでの活動 3月中旬より、現地拠点と東京本部を置き、継続的に町や現地協力者、協力企業、支援者などと連携…

ガバナンス論 【公共性論2011】

標題のように書いてみたものの、新しい記事の追加はなしです。下記、リンクから公共性論2010、公共性論2009を参照ください。http://geocities.yahoo.co.jp/gl/yoshida_inf/view/20100427/1272336884公共性論2009年で触れた「鴨川ガバナンス」の論点は、浜松…

東日本大震災 被災地支援活動(4月5日-4月18日)報告

東日本大震災被災地支援活動・視察活動に出かけてきたので、その報告をします。活動地:宮城県山元町活動母体:JSIS-BJK災害情報支援チーム(代表:柴田國臣:大妻女子大)日本社会情報学会若手支援活動(JSIS-BJK)+協力者(@nifty、他有志)活動内容:情…

学習マネジメント コメント

情報学部1年生(社会学科)「学習マネジメント」の成績をつけたのでコメントをあげておきます。この授業は、主に「監視カメラの許容範囲」「ビデオゲームと賢さの関連性」2つのテーマについて、グループで意見をまとめるというプロジェクトを通して、協調学…

内面から外面へ 監視カメラと犯罪

「監視カメラ」と犯罪の問題について調べものをしていて、思ったこと。監視カメラの設置を後押ししている考え方に、「犯罪原因論」から「犯罪機会論」へという議論があるようだ。直近の動向は分からないが、この数年でこうした言説はずい分と活字メディアやw…

「情報社会において個人の自由は存在しない」

先日の授業のディベート論題です。論題の用語定義自由:強制ないしコントロールされずに本質的に自らの意思に従って行為できること。ただし、他者の自由を自らの行為によって自らの自由以上に侵害することを避ける目的で、その程度に応じて自らの自由が制限…

【情報技術思想論】今年度の作品一覧

今日の情報技術思想論は、「博士の異常な愛情」を扱うことにします。先週受講者からとったアンケートを参考にして、次の作品を扱うことにしました。1:「モダンタイムズ」すでに終了2:「博士の異常な愛情」3:「攻殻機動隊」4:「イヴの時間」5:「マ…

【ガバナンス論演習】フリーライドについて

今年度の私の担当会の最終テーマは「フリーライド」にしました。参加論で論じたように、フリーライドはガバナンスを構築・運営していく上で一つの大きな問題です。フリーライドとは何か、どんな種類があるのか、どうして起こるのか、どういう問題があるのか…

【ガバナンス論】 合意論2010

合意は、「グッド・ガバナンス」の基本性格と考えられている。合意は、そのガバナンスが成員たちにとって納得のいく舵取りなのかどうかに関わる。納得のいく社会を作りたい、納得のいく社会で自分の人生を生きたいと思うなら、合意論はガバナンス論の一つの…

【ガバナンス論】 参加論2010

前回は、斉藤による公共性概念の分析を踏まえて、ガバナンスにおける「公共性」の理念について考えました。今回は、こうした理念を実現しようとしてガバナンスを実践する上でもっとも重要なファクターとなるであろう「参加」について考えてみましょう。2009…

【ガバナンス論】 公共性論2010

今年度のガバナンス論では、第一回にはガバナンス論概説として、「ガバナンス」という観点の登場とその概要を紹介しました。第二回では、ガバナンス論の諸相として、ローカルガバナンス、メディアガバナンス、インターネットガバナンス、コーポレートガバナ…

ブログ再開します

多忙に紛れ長らく休眠していましたがブログ再開します。情報学部に来て4年目となり、特に運営の仕事で多忙です。この前期くらいでこれもピークかと思っています。そうでなければ実際これ以上は無理ですね。研究、教育が本分なのだから、さすがに今年度はす…

合意形成 やる気が萎える人へ

なんだか忙しくて、自分の担当回が終わってから、すっかり受講者のブログを読むことができていませんでした。遅くなってしまいましたが、これから皆さんのブログを読みなおしつつ、考えつつ、コメントなど書き込みつつ、面白いことを見つけたらそれについて…

【モラルデザイン論】 おまけの話題 学生への解答  「「愛」について2」

先日の、「愛」についてについて、授業で解説したところ、意外にもと言うべきか、多数のコメントをもらったので私なりに解答します。授業では、「愛」のリアリズムと社会構成主義を解説し、「バーチャルな愛」と呼びたくなる「愛」の形をどう考えようか? と…

web3.0ってわけではないが、、

『グーグル・アマゾン化する社会』(森健著、光文社新書)を読んで考えたことを書き留めておこう。この本は、同様にグーグル、アマゾンを例にとってweb2.0といった新しい情報社会像を説明した梅田の『web進化論』(ちくま新書?)と合わせて読むのが面白いだ…

【モラルデザイン論】 おまけの話題 「「愛」について」

「愛」について授業で扱ったテーマ「公共」をつくる「私」としての市民(市民論)「公」権力によって監視(監視論)・管理(ゲーム化)される市民としての「私」こうした情報社会における公私の論議の中で、自由意思、共同性、暴力性、芸術性(ないし感性…

【情報モラルデザイン論】資料 情報社会のゲーム化

「ゲーム化する情報社会における<私>の倫理」吉田寛「情報社会は「ゲーム化した社会」である。そこでは、三人称としての「私」は残るものの、一人称の<私>の場所はない。」「ゲーム化した社会」を再考しよう。始まりを1970年のボードリヤールの議論に置…

【技術思想論】『ナウシカ』を取り上げます

今日は、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』から考えます。先週の「博士」では核戦争の話だったので、今週は核戦争後の地球です。作品はあまりにも有名で、子供でも楽しめますが、技術思想としてはあれこれ検討する材料に溢れています。今回は特にユートピア思想…

【モラルデザイン論】市民論

まず、共同担当教員による先行する議論を私なりに整理し直して、その上で私の観点を提示しよう。授業資料としては2007年度の「ガバナンスをめぐる公私」を参照されたい。また、このブログに書いた今年度の【ガバナンス論】「公共性論」(2009/4/28)、「合意…

【リアル】【技術思想論】【モラル】授業コンセプト

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/hakase.jpg 標題の3年生向けの授業では、主にこれから私の担当パートが始まります。重複して履修している学生も多いだろうから、授業コンセプトの切り分けをここで確認しておきます。授業は3つですが、私自身の関…

『砂の器』 社会と情報の淵について 【1】

http://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/suna.jpg ある作品に深く感じたとき、それを言葉にしたい、誰か自分と同じかあるいはもっと深く感じた人と作品について語りたいという気持ちと、言葉にはしたくない、誰かと話して何かを損なってしまいたくないと…

『砂の器』 社会と情報の淵について 【2】

【1】のつづき『砂の器』は、Amazonではミステリーのジャンルに入れられていたが、物語は、ある殺人事件について、刑事が断片的情報をつなぎ合わせて、被害者の関わる過去を明らかにしていく。「個人情報」とは無機的なデータのことだと思っているひとは、…

【ガバナンス論演習】レジュメ・中間アンケートへのコメント

先の火曜日の授業で、ガバナンス論演習のレジュメ作成が終了し(発表はまだ残っています!)、また中間レポートも書いてもらったので、コメントしておきます。まず、レジュメ作成全部で4回作成してもらいました。これは、ガバナンスに関する問題について議論…

【ガバナンス論演習】温暖化と専門家の役割について(1)

授業では、最初にガバナンスをめぐる歴史的な背景とガバナンスの基本的な性格を提示した。ついで、公共性、合意、参加という視点からガバナンスを検討してきた。今年度のガバナンス論&演習で私がしゃべる時間は今日でおしまいなので、最後にガバナンスにお…

【ガバナンス論演習】温暖化と専門家の役割について(2)

温暖化と専門化の役割(1)の続き------------------------------------しかし、専門家は神ではないゆえに、判断が100%正しいとは限らない。専門家の間には、温暖化にも、温暖化ガス規制の「エコ」にも反対する者がいる。『科学者の9割は「地球温暖化」CO2…