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Bay Area Social Science Seminar主催の講演会(@UC Berkeley) 「物語のガバナンス」(吉田寛)

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下記で発表しました。発表資料をアップしておきます。
さしあたりかきURLからダウンロードできます(2015年3月5日ごろまで)。
http://xfs.jp/KNTM39

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Bay Area Social Science Seminar主催の講演会(@UC Berkeley)のお知らせ

演題:「物語のガバナンス」:東日本大震災被災地の復興支援活動から考える被支援者の主体性の問題

日時:2015年2月26日(木)午後5時15分開場、講演午後5時30分開始(7時半終了予定)

場所:UC Berkeley, 554 Barrows Hall (Barbara T. Christian Conference Room)
Berkeley, CA 94720
http://www.berkeley.edu/map/3dmap/3dmap.shtml?athletic

講師:吉田 寛 YOSHIDA Hiroshi(よしだ ひろし)
専門: 哲学、情報社会論、ガバナンス論
所属: 静岡大学 情報学研究科 准教授
Visiting Scholar, Department of Political Science, UC Berkeley(2014.5-2015.3)

講演要旨:
支援は「被支援者」を作り出し固定化することがある。本発表では、筆者の参加した東日本大震災被災地復興支援活動の経験のなかから、被支援者はどのように固定されるのか、被支援者が主人公であるような支援そして復興とはどのようなものかを考えたい。
筆者は、2011年3月の東日本大震災に伴う津波によって壊滅的な被害を受けた宮城県山元町で、社会情報学会の研究仲間を中心に支援チームを結成し、継続的に復興支援活動を続けている。支援チームでは、震災直後には、情報通信インフラ整備、臨時災害FM局の支援などを中心に行い、のちに津波被災写真の救済プロジェクト(「思い出サルベージ」)、そしてパソコン教室、パソコン愛好会支援という具合に、復興のフェーズに合わせて支援の形を変えてきた。
この私たちの活動は社会的には各方面から評価をいただいたが、「被支援者」の主体性・当事者性の尊重という点にでは課題を残したと考えている。具体的には、2011年度の支援の中心となった「思い出サルベージ」の活動は、支援者側からの支援モデル・人員・技術・資金等々の持ち込みによって実現され、一定の「成果」を上げた。しかし、支援者側が社会的評価や利益・自己満足を持ち帰る一方で、町の人びとの参加や主体性、成果、今後に向けての蓄積といった点は、なおざりになってしまった。なぜそうなってしまったのか、もっとよい支援はなかったのか、その問いは2012年度以降の私たちの支援活動へと引き継がれ、現在も課題でありつづけている。

司会:山中啓子、PhD、Continuing Lecturer、Departments of Ethnic Studies and International & Area Studies、UC Berkeley

参加費:無料
*参加希望の方は前日までに兪(yoobk3@gmail.com)までご連絡ください。

講師:吉田寛(よしだ ひろし)略歴:和歌山県出身。北海道大学文学部、京都大学文学研究科で哲学を専攻し、2005年京都大学より学位取得(博士(文学))。2006年静岡大学情報学部講師、2007年より准教授(現職)。専門はウィトゲンシュタインを中心とする初期分析哲学、情報技術を中心とする技術社会論・技術倫理、まちづくり・復興等のガバナンスの思想。著書に、『ウィトゲンシュタインの「はしご」』(単著:ナカニシヤ、2009年)、『「思い出」をつなぐネットワーク』(共編著:昭和堂、2014年)。

主宰団体:Bay Area Social Science Seminar:UC Berkeley、UC Davis、 Stanford Universityの3大学に所属する研究者・学生の有志で始めたセミナー団体です。細分化が進む社会科学分野で、学際的なテーマをインフォーマルに(主に日本語で)話し合う場を提供することを目的としています