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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

『はじめての情報倫理』

こんなタイトルの教科書を、ガバ研(J2729)に来てるメンバーの有志の力を借りて執筆しています。
出版はまだ先で、来年の春くらいの予定です。
「情報倫理」という一つの観点から、情報社会の現在と未来がすこしは見えてくるような本にしたいと思います。
初学者向けの本ですが、これだけ情報社会の現状を話題として広く取り上げ、なおかつ一つの観点から掘り下げる本は、なかなかありませんぞ。
最近、この本の全体像が私には見えてきた気がします。

その要旨を、ここでちびちびと公開していこうと思います。
気が付いたことがあれば何でも、情報学部の人でも、それ以外の人でも、ぜひ批評・コメントなどください。
執筆陣が知らなかったり気づかなかったり偏っていたりすることは多々あるはずなので、この場でそんな指摘をもらえたら、私はたいへん感謝します。

では、まずは「総論」から。

総論
情報倫理は単なる知識やルールではない。単なる知識としての情報倫理、ルールブックとしての情報倫理は、変化の激しい情報技術の世界ではすぐに無用の長物と化してしまうだろう。情報倫理は、情報技術の現状と本質に配慮しつつ、既存のルールの必要性を理解し検討する力、そして新たな適切なルールを作り尊重していく柔軟な態度と力である。
本書で取り上げるのは、個人情報の扱い、著作権の問題、情報技術者の倫理、AIやVR技術による情報社会の未来像という4つのトピックである。第一部は事例分析編、第二部は基礎知識編であり、本書はこうして情報倫理の生きた力を鍛える。