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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

民主党勝利!

というのは、アメリカの話。共和党の対アラブ政策には、ブッシュ親政権のころから私は懐疑的だったので、まずはよし、と思いました。これでブッシュ保守政権に対してリベラルな議会(新聞によれば「中道」勢力もかなり民主党支持にまわったらしい)が歯止めをかけるという、わりとまともな構図ができたんじゃないだろうか。うまく機能するかどうかはまだ分からないが。

ニューヨーク州で当選したヒラリーさんが「よっしゃー」とポーズを決めている後ろでパチパチパチと手をたたいてるクリントン前大統領の写真(毎日朝刊)が、なぜか妙に印象的でした。

この結果が日本の安倍政権の政策などにどう影響してくるのか、専門家ではないのでよく分からないけれど、おそら政策レベルだけでなく、経済や学問の分野も含めて、おそらくいろいろなレベルで影響してくるでしょう。その辺まで見据えてモノゴトを考えたいところだが、さて。

アメリカで民主党が勝ったら、何が起こったのかわれわれにもまだ何となく分かる。アメリカの民主党は、わりとはっきりした理念と哲学を持つからだ。選挙の結果は、世論がどういう方向を望んでいるのか、舵取りに対する国民の大意を示す。これが日本の民主党大勝利! だったらどうだろう? 国内外のマスコミはどう分析するのか、はなはだ心もとない。

まずは政党が思想的バックグランドをハッキリさせてそれに基づいた形で政策を打ち出すように努力すること、加えて国民は政治・経済に加えて思想的なリテラシーを身につけて理念と政策についての判断をくだせるように勉強すること、この二つは日本での政党政治実現には欠かせないだろう。でも、最近のニュースとなっている高校教育のばかばかしい悲喜劇を見ていると、この日本でそんなことが可能なのだろうかと悲観せざるを得ない。

政党政治による民主主義ってことを考えたとき、アメリカみたいにあまりイデオロギッシュになっても難しいけど、日本のようにあまりにも思想オンチだとどうしようもないよ。
「天意」とかそういう概念装置を使えた昔の人たちはいいよなーと、ふと思ったりした。思想と政治、すなわち倫理とガバナンスがそこで一致する概念的な場が確保されるのだから。

ともあれ、アメリカの流れが変われば、世界の流れが変わる。それだけは確かなことだ。