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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

日本の医療について 透明性と説明責任

「確かに「医療」っていうのは公共のサービスであるっていうことは分かるよ。だけどもっと情報開示するべきだと思う。薬の料金だとか検査費用だとかさ! ここは一応民主主義国家日本だよ?」
まあ…とりあえず…さんは、このように書いています。http://blogs.yahoo.co.jp/smartpig1987/31596438.html

確かに料金を明示しないで契約が成立するとしたら、お互いに暗黙の了解がある場合か、支払い能力が無限に近くあり価格が問題にならない取引きでしょうね。例えば京都の「一見さんお断り」のお茶屋さんのケース。

このいみで医療機関には、たしかに暗黙の了解、あるいは医療行為には(人命尊重)という無限の価値がある(すなわち無限の支払いが用意されている、しなければならない)という了解を、押し付けているのかもしれません。

ちなみに、医療は3割負担なので、残りの7割は国庫から医療帰還に支払われているはずです。これも見えにくいというか、本来は意識的でありたいところですが、すくなくとも皆が意識して支払いに臨んでいるわけではないでしょうね。

これは、医療における情報開示 ガバナンス的な問題意識から見るなら、透明性と説明責任の問題ですね。さらにその原因まで考えると、参加や包含、合法性の問題にもなるでしょう。

他方で、医療という専門性の高く、また純粋な市場原理の成り立たない「セーフティ・ネット」的領域について、どのような支払い分担や説明責任が適当であるかは、たいへん難しい問題でしょう。「インフォームド・コンセント」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/3.html)について考えてみましょう。がん患者への告知の問題、素人が専門家に「納得がいくまで」「説明」を求めることの難しさなどです。