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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

【Theme:5】近所からの苦情

演習で出題されたテーマについては、自分ではあまり書かないことにしていましたが、演習参加者のエントリにコメントつけているうちに私もすこし書こうと思いました。

出題に「指摘された「迷惑行動」を排除するためには」とあるせいか、迷惑行為はひどい、情けない、注意が手ぬるいなどのエントリが目立ちます。
そこで、自分の書いたコメント(純粋な引用ではなく、ちょっと編集てます)をベースに、一石。


pikoさん「迷惑行為には厳しく」

マナーは上から強制的に仕込むもの。「ガバメント」的に。
確かにそうかもしれません。
しかし、本来は当事者解決をベースに考えたい。すくなくとも、まずは。そう考えたい気がします。
大学生は、もう議論できる歳なのだから。

どのくらい、そしてなぜ騒いだのか。そして、どのくらい、どう迷惑だったのか。では、どうしたらよいのか。などなど。
話も抜きでいきなり「犯罪」扱いを匂わせてのルール設定は、あまり歓迎できるルール設定ではない気がします。
ガバナンス論では、正当性「legitimacy」が欠けていると言われるケースになるでしょう。


今度はnonjyoさん「当たり前のことを当たり前に」

本当は、ちゃんと面と向かって文句を言って、話して解決するのが一番ですね。つまり、当事者解決です。
もし、nonjyoさんの言うように、いまの社会が直接に話し合うことが危険で、警察や学校などの権威に訴えるしかないのだとしたら、何だか嫌な社会ですね。
しかも、そうやって、くだらない仕事にウンザリの警察によって権威的に抑圧されたワカモノは、きっとまたどこかで騒ぐことでしょう。

私としては、そういう社会を招いているのは、さわぐ「子供」たちよりも、むしろ直接注意しようとない「大人」たちかもしれないと思うことがあります。

だから、リスク判断は忘れちゃまずいですが、できたら直接モノ言いたいと思います。


それはそうと、皆さんのエントリを見ていて、これは言っておきたい。
大学当局の注意メールにおける、「迷惑」「苦情」という言葉の意味、中身をもっと吟味すべきでしょう。
先生の出題、大学のメールの文言に引きずられ過ぎないように。
確かに、じっさいに、えらく非常識な行為があったのかもしれませんが、じっさいはほとんどなかったということもあり得ます。
それを確かめないで、今回の事例を評価を下したり、一足飛びに一般化して「イマドキの静大生」を論じてしまうのは、とても危険なことです。
3-10を忘れるな。

だから、たとえば「もし、じっさいに事情が××であれば、○○だと思う。」などと論じるのがせいぜい可能なことということになるでしょう。
他人の言葉を鵜呑みに、というか勝手に脚色までして、ふだんから思っていたことを結論として出すのはいただけません。

というわけで、「フェアな言論」ということについても、もうすこし考えてもらいたいと思います。


ところで、学生は世界中どこでも、どんな時代でも騒ぐものなんじゃないの?
ご近所に迷惑かけるんじゃなく、どうせなら、このまちを、社会を、あるいは時代を、揺るがしてはどうでしょう。
「またかー」ってのとは違って、「おぉ!」と言わせるように。
そうしたら、ご近所も、大学当局も多少のことは多目に見てくれるでしょう。
理由づけはできませんので、単なる私の印象と希望でしかありませんが。