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浜松の町 風水の必要?

前回、浜松の町について書いた後、またすこし考えたので書いておこう。

浜松の町は、北を南アルプス(の末端)、東を天竜川、南を太平洋、西を浜名湖に囲まれている。
こんなに恵まれた自然環境に囲まれていながら、浜松の都市設計ではそれがまったく生かされていないように思われる。
東海道の途中のちょっとした平野に人が集まって建物を建てて、たくさん集まったから「都市」になったという風情だ。
浜松の都市設計には風水の思想がない。「風水」といっても、専門的な話にあまりコミットする必要もないだろうが、少なくとも自然環境に合わせた必然的な町の姿ってものがあるだろう。

京都はもちろん、鎌倉や高山、郡上八幡などの盆地に作られた都市は、周りの環境とフィットせざるを得ない必然性があり、付近の山や川を町の風景や人の流れにうまく取り入れている。
神戸や横浜の町(中心部)では港を中心に、繁華街や住宅地が海から山に向かってうまく配置される。上海や岐阜、モントリオール、などは川を利用して、町に命を流し込んでいる。
都市と自然環境はある種の呼応関係があってこそ、町の中に視覚や聴覚、匂い、風、水、人の流れなどの自然な流れが構成され、血液がさらさらと流れる生命体のように町が生き生きするのだ。

その機微を感じるのは気をつけていれば簡単だが、それを生かして町を作るのは確かに難しい。
だが、それができるのが都市づくりのプロだろうし、それができない者が都市を設計してはならない。

私は、ただ感じるだけで、それを設計する能力はないが、それでも、いままでに見て住んできた町の経験を生かして、いくつか常識的な見解を述べることはできる。
それは、多分町を歩いた人ならだれでも気づくレベルのことだと思われる。
だが、浜松の町には、理由は分からないがそんな常識さえ反映されていない気がする。