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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

自転車と街

最近、自転車を購入して街が近くなった。
街にさっと出てちょっと用事を済ませて喫茶店で本を読んだりする。
バスだと待つのも面倒だしお金もかかる。自動車だと駐車場も気になるし、騒音や排気ガスを市中に振りまくことなどで歩行者への引け目も感じる。歩行者や自転車に対する危険についても考慮すべきだ。
その点、自転車はほんとすばらしい。

京都ではこんな自転車生活があまりにあたりまえだったけど、浜松ではそうではない生活を半年以上していた。
浜松市が自転車の走りやすいように、使いやすいように整備したら、この町もずっとずっとよくなるだろう。
ひとたび体験してみればものすごく自明なことだと思う。

だけどこの町では、大きなビルやショッピングセンター、大通り、大げさな公園、そんなことにお金をかけて、整備してきて失敗し、いまなおその路線で浜北副都心をなぞと言っている。
そんなのは心臓が弱ってるからと言って、別の場所に強力な人工心臓をひとつぶち込むようなものだ。
ぜひとも考え直してもらいたい。

流れの滞っているところをほぐし、おいしいものを適度に食べ、おもしろいことに感動し、きれいな水や空気を供給してやれば、人の身体は自然に健康になっていく。街を人の身体になぞらえるなら、浜松市の考えがいかにナンセンスか一目瞭然だろう。
ただし大学から市役所までの自転車道は、高く評価できる。ポイントが分かっている。

すでに何度か書いてきた私の提案をここで再度まとめておこう。
必要なのは、まず安全で快適な歩行者の流れをサポートすること。
次に、個人商店の創意と工夫をバックアップすること。
馬込川や佐鳴湖などの環境を安全で快適なものにすること。
そして、公共交通機関を重視・充実させ、加えて自転車道と駐車スペースをしっかり確保すること。
これで老いも若きもみんな町に出てきて、商業も公共性も育つこと請け合いだ。

私はこの町ではまだまだ異邦人だ。私の文化的・学問的バックグラウンドは、この町の多くの人とはおそらく違う。異邦人として私は、この町の事情も知らずにトンチンカンを言ってるのかもしれない。しかし、あるいは私だからこそ言いうることもあるのかもしれない。

私が浜松に批判を繰り返すのは、確かに「浜松」とまだ一体化してないからであろうが、一方で、コミットメントのしるしでもある。自転車購入で、この町へのかかわり方のバリエーションがひとつ増えたことはうれしいことだ。