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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

ガバナンス論 第一回

第一回では、主に国連の「グッド・ガバナンス」http://www.gdrc.org/u-gov/escap-governance.htmという考え方を紹介して、「ガバナンス」の概念的な説明をしました。これはガバナンスの考え方の一例ですが、よい手がかりになると思います。

レポートでは、8つの基本性格「参加、合意、説明、透明性、包含性、実行、効果、合法性」それぞれについて、「大学のガバナンス」というテーマで考えてもらいました。
レポートでいくつか気がついた点を書いておきたいと思います。

自分の参加している学生活動やクラブ活動をイメージして考えることのできた人は、説明や問題意識がより具体的でよかったと思います。反面、ガバナンスの難しさや、組織の持つ可能性や問題点などについては、むしろ自分の所属する体制への盲信が見られました。できるだけ頭をやわらかく、前向きないみで批判的に、自分たちの活動、組織を見直してみましょう。

他方、うまく自分の経験にひきつけられなかった人は、「ガバナンス」と言ってもまだ理論上のもので自分を取り巻く現実のものとは受け止められていない状態かもしれません。共同の利害や共同の関心がある限り、ガバナンスの事例は身近なところにあるはずです。それを思い出してください。

「基本性格」の理解について、あれ? と思ったこと。おそらく私の説明が不十分でしたので、補足説明しておきます。

「合法性」=「公平性」? 
合法性は、決定と実行に当たってルールを決めて、それにしたがってガバナンスするということです。そのときに、そのルールは公平でフェアーなものでなければならない、人権を無視していてはならない、などの条件を満たすべきだ、ということです。

「参加」と「包含」の区別。
参加は、能動的な面で、決定や実行のメンバーとして参加できること。包含は、受動的な?面で、決定や実行の際に、無視されずに考慮されることです。

以上は「グッドガバナンス」についての私の理解です。詳しく理解したい方は、上記のwebページを検討ください。
図書館にもガバナンス関係の本は割とあるようです。
国連とは違う、企業、地域、ITなどでの「ガバナンス」の実例や議論が見つかるはずです。

「ガバナンス」で検索してみましょう。
http://www.lib.shizuoka.ac.jp/opac/index.php