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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

2006-01-01から1年間の記事一覧

あなたにとって「倫理」とは何か?

「思想と行為」第一回でこんな問いを出して、紙にコメントしてもらったので、二つほどの論点にコメントします。「倫理には決まった答えがない」これがいい、という人と、これが嫌いだ、という人がいて面白いですね。確かに、倫理の問題には決定的な答えはな…

1-1 蓄積された個人情報と流出の危険

つづいて1-1から順にアップしていきます。事例に対してコメントをつけて、情報倫理の話題と考え方を押さえていきます。1-1 蓄積された個人情報と流出の危険【事例】 宇治市個人情報流出事件 宇治市では約22万人分の個人情報が、あるバイトの学生によって流出…

『はじめての情報倫理』

こんなタイトルの教科書を、ガバ研(J2729)に来てるメンバーの有志の力を借りて執筆しています。出版はまだ先で、来年の春くらいの予定です。「情報倫理」という一つの観点から、情報社会の現在と未来がすこしは見えてくるような本にしたいと思います。初学…

プログラム制について語ろう会!

そういう人は、来る10月12日13:00(PM)情13教室に集まりましょう。私も司会として参加する予定です。この会の面白いところは、学生がプログラム制推進WG長(教員組織)に持ちかけたのがきっかけで開催の運びになったことです。(なのに、その話を持ち込んだ…

マトリックス-3

疲れてきた。適当に〆とこう。われわれが世界の外を直接感じられないことはこの問題設定の前提だ。だから、「感じる」は世界を透かして「外部」を感じるのではない。私が思うに、「感じる」としたら、世界の「作為性」であろう。しばしば、自然の合目的性か…

マトリックス-2

流行の?答えを挙げておこう。この「真実」という議論は無意味だ。映画の中で主人公は、今まで自分のいた「マトリックス」が「虚構」であり、「真実」でなかった、と言う。だがこの言明は、「真実」がそのような形で判定されるという意味で使われているなら…

マトリックス-1

自主ゼミのメンバーと「マトリックス」をひさびさに見た。やっぱりなかなかよくできている。ああいう世界設定が面白いと思う人は、現代英米哲学はけっこうおもしろいだろう。映画は、哲学的に見て面白い部分をさらりとごまかしていたりして、歯がゆい部分も…

虫の声 あ、ユビキタス

窓から虫の声がさかんに聞こえてきます。すっかり秋。もうすぐ後期が始まります。夏休み中もわりと研究室で仕事・研究してたので学校には普通に来てました。自宅に「書斎」という感じの部屋でも作ればいいのだけど、結局学校でやったほうが便利なので、つい…

墓参り代行サービス

そういうのがあるんですねー。http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000088672.shtmlお盆の話題です。最初は不思議な気がしたが、よく考えてみれば墓参りという習俗のもつ不思議さよりもとりたてて不思議というわけではないような気もしてきた。しかし、自…

レポートの書き方

3年生でもレポートの書き方をまったく身につけていない学生が多々存在します。その人はこのままで大学で学んでいるいみがあるのでしょうか?老婆心と、そういうレポートを読まされる苦痛をすこしでも和らげるためにささやかなアドヴァイスをします。書けてる…

情報学の基礎的知識や技術、基礎的ディシプリンの教育とは?

「がまん神殿」にトラックバック「IDとは情報社会デザインという意味です。「情報」と「社会」という2つの学問的教養を要求され、さらに「デザインする」という応用力も要求される。これでは消化不良を起こすのではないかという怖さがあるのです。(「がま…

レポート返却について-1

ここのところ、前期のレポートつけに追われています。採点のため、ごく簡単なコメントやアンダーラインなどの書き入れをしています。レポートをつけ終わったら、希望する学生にはすべて返却しようと思います。いつ返却できるかまだ分かりませんが、返却する…

ガバナンス=理想論について

「うまく合意形成できなかった→ガバナンスは難しい→ガバナンスは理想論だ」こんな流れが、しばしば見受けられます。これについて、明日の議論を先取りして、少々論争的なエントリを。私の授業の目的は、別に「上手く合意形成」することではなく、合意形成や…

検索サイト

検索サイトはweb上の情報へのインターフェースをなし、さらにその奥で情報の流れをコントロールできる。すごいことですね。「(情報検索サービスのもつ公共性を恣意的にゆがめることにより、見過ごせない権力を有する可能性のある)Google」というサトウさん…

ウィンター・サバイバル

赤尾先生が雑感を書かれています。自主ゼミのメンバー(3,4年生)でもこのゲームをやってみましたが、議論はやや慎重な運びでありながらも結果はほぼ同じでした(私個人でチャレンジしてもそんなものでした。)冬山経験者(昔取った杵柄)として、いくつか疑…

人文社会系の大学院進学

最近、必ずしも研究者を目指すわけではないが、院に進学する人文社会系の学生も増えています。時代の流れなのか、長く続いた就職不景気のせいなのか。かつて、人文社会系の大学院は研究者になろうとする人が行くところでした。院の指導も、博士課程に進学し…

大学生は知識人(予備軍)、民間人、あるいは大衆?

軍人じゃないから私も民間人だという意識は働きますが、では大衆かと聞かれたら?ちょうど私も先日のサトウ先生の授業からこの問題を考えていました。授業では「生き残し」ゲームがありました。10人のさまざまな職業、年齢、性別で記述された人の中から、も…

レッシグブログ 英語の勉強にでも

ご存知、CODE、Creative Commonsなどの著者であるLessig氏のブログがCNET-Japanで日本語(翻訳)で読めます↓http://blog.japan.cnet.com/lessig/エントリの下部「オリジナルポスト」で原文(英語)にリンクしているので、日英のエントリを対照して読んでもよ…

人文系の情報学研究室

私の出身大学院に去年新設の情報・史料学研究室のwebページができていた。情報技術の根底にある論理・数学をベースとした情報学の体制づくりをすすめているようだ。私が哲学研究室に出入りしていたころには、まだなかったなぁ。しかし、倫理学研究室では「情…

戦うことと六道 人間存在

ACEさんは、日本人は戦い続けてきた。いまも争いは消えてない。犯罪、受験戦争などなど。日本人は「野蛮な血」を受けつできたと言います。これに対して、vanyaさんは、余談のとしてですが、「争いがシステム化」される危険を指摘し、さらにガバナンスと戦争…

お手軽な結論

最近お手軽な結論についつい飛びつきそうな自分にふと気づきました。技術やシステムでは本質的に解決できない問題まで、新しい技術的展開でひよっこり解決されてしまうんじゃないかという期待のようなものが、問題を突き詰める力を毒している気がします。こ…

くだらない難癖コメントに対して

{無視する∨反論する∨謝る∨逃げる∨隠蔽する}あなたならどうしますか?この問いかけに対するフロアの意見は意外と割れて面白い展開であった。私の立場はケースバイケースでああった。この問いにはその選択肢がなかったのでちょっと窮した。私が提示したいの…

ブログ炎上と倫理

今日の演習で「ブログ炎上! 君ならどうする?」みたいな話があり、これに触発されて一筆。先生による分析のヨシダによる解釈・炎上させられるエントリーは、非常識・非道徳・非合法を誇る内容・炎上させるのは、公共的正義感のつよい(+α?)野次馬な人々・…

情モ ディベートのほうは?

情モのディベートはほとんどがIDの3年生。ディベートというのは与えられた論題(例えば「国家による盗聴の是非」)について、2チームに分かれて、賛否を議論で競います。ディベートは自分に与えられたたった数分の発言時間に、基礎的な論理力、理解力、知識…

情モデザイン プレゼン力の向上が見られる

IDプログラム必修の情報モラルデザインでは、講義では学生によるプレゼン、演習では出席者全員によるディベートをやっています。最初はなかなかうまくいかなかったプレゼンですが、最近はだいぶ向上してきました。プレゼンに関して、むりやり平均像を比較し…

ブログという道具

「さっきの授業で吉田先生が更新することが大切と仰ったので、」と目にしたので、一言。確かに授業だから、更新は履修のための義務ではありますね。それは置いておいて、ブログに文章を書くってのは、どれほどの価値を生み出すことができる、あるいは生み出…

ガバ演習(吉田担当分)レポート、提出しましょう!

期限は5月31日中です。遅れないように!課題や注意をよく読んで、それに沿ってしっかり作成してください↓\\Fs\share\class\yoshida\governance semihttp://www.geocities.jp/yoshida_inf/siryo/gov0516semi-repo.ppt

浜松は田舎? 2

浜松のおおらかさ、のんびり感は嫌いではないということを先に書きました。ただし、それに続けて次のことも書いておきたいと思います。ただ自動車優先主義については、やっぱりちょっと浜松市民はおおらかでありすぎたのではないだろうかと感じます。不正に…

浜松は田舎? 1

「パブリックコメント」以来の古い話題になってしまいましたが、赤尾さん&サトウさんに興味深いトラックバックをいただいたので、コメントしつつもうちょい考えてみます。まず、赤尾さんの出している、公共交通機関の充実度から「都会度」を図るという観点…

吉田担当の演習終了

どうでしたか? 感想、良かった点や改善すべき点など出してもらえるとうれしいです。吉田担当といっても、吉田自身が論題を提供したのは最初の一回だけ。あとは自主ゼミに参加している上級生からの論題提供でした。彼らは毎回来てくれていたので、進行もかな…