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Yahoo!ブログ閉鎖によりYahoo!から移行しました。吉田の講義、考察などを書いていきます。

#練習用

日本の医療について 透明性と説明責任

「確かに「医療」っていうのは公共のサービスであるっていうことは分かるよ。だけどもっと情報開示するべきだと思う。薬の料金だとか検査費用だとかさ! ここは一応民主主義国家日本だよ?」まあ…とりあえず…さんは、このように書いています。http://blogs.y…

学祭と「私たち」

「「私たち」と言ってしまうことで、既に合意ができてしまっているかのような錯覚に陥りがちだと思うのです。「私たち」に含まれている人の合意はできていたとしても、「私たち」に含まれるべきだった人の合意はされていないからです。」がまん神殿さん「私…

ガバナンス論 第一回

第一回では、主に国連の「グッド・ガバナンス」http://www.gdrc.org/u-gov/escap-governance.htmという考え方を紹介して、「ガバナンス」の概念的な説明をしました。これはガバナンスの考え方の一例ですが、よい手がかりになると思います。レポートでは、8つ…

「ガバナンス論演習」開始

今年も情報学部「ガバナンス論」演習が始まりました。このブログは去年の演習で開始してそのまま後期の間も続けてきたものですが、このまま演習に参加します。演習のない間は、私が勝手に好きなことを書いて一人愉悦にひたったり、どこか遠くの友人に私が生…

「ハラハラハラ」

「ハラスメント」と言いたくなるマジメな気持ちは重々理解した上で、あえて言います。問題に対して安易な近道に頼らずに、自分たちが運動してひとつひとつルールを作って守り育てていくように勧めるとか、その活動を支援するとか、僕の専門分野から言うなら…

「ハラハラ」2

「ハラスメント」って何のために、何を目指して、どういう根拠で、言われてるのでしょうか?分かる人にしかわからない言い方になってしまい申し訳ないですが、「コモンセンス(日本語では「常識」「良識」と訳しますが、自分の語感で勝手に意味を作り上げな…

「ハラハラ」1

「ハラスメント」について考えます。日本では、「○○ハラスメント」という言葉が大流行です。「harassment」は、何回も何回も繰り返して攻撃するとか悩ませるとかそんな行為を意味します。日本では、「一回でも、相手がイヤだと思ったら○○ハラスメントです!…

『攻殻』の「ゴースト」2 ゴーストのコピー&ペースト

さて、人格の同一性」についてはあれこれ議論がある。「私」が物理的なパターンに過ぎないなら、私が眠っている間に、私の組成や運動状態をリーダーで読み取り、そのパターンをコピーして、再構成したらどうだろうか? 自己意識も再構成されるだろう。つまり…

『攻殻』の「ゴースト」1 論点の整理

『攻殻機動隊』の「ゴースト」ってのは、デカルトの「我あり」の「我」で、(自己)意識のことだ。士郎正宗は「霊魂とでもいうべきか」と簡単に解説している。多少英米哲学をかじっていれば、ライルの「デカルトの幽霊」の議論を思い出すだろう。『攻殻』で…

私と超時間

P1「私はいまここにいる。」それが生きてるって感覚だ。確かに僕にはそんな感じがある。これについてちと考えてみる。P2「(私がいまここにいるなら、)私は死んだら私はいまここから去る。」P1は自然と受け取れるが、P2はなにか妙な印象だ。私の去った「い…

ピンポン! 3月になりました

卓球です!今年は暖冬で、さわやかな春の風。卓球台をひっぱり出して、青空の下、ピン-ポン。そんなのどかな午後を過ごしたいですよね。キャンパスって何だろう?ちょっと考えてみましょう。あなたが、勉強するのはどこでですか?ご飯を食べるのはどこですか…

一ヶ月で100冊 一時間で本(新書)を一冊読む方法

緊急時に使う私自身の速読法。必要な知識はラフに得られ、新たな思考の手がかりにはなる。ただし、正確な知識は身につかないし、思考力も伸びない。自分の持っている概念枠組みに、新しい用語や話題を流し込むだけだ。熟読こそ本来の学問方法であることは断…

ゲームについて 相補性の原理

予餞会で、飲んだあと久しぶりにビリヤードなどのゲームを楽しんだ。で、考えたこと。情報学部に卓球台とビリヤードがあればいいのに。あとは将棋版と碁盤くらい。一応言い訳が必要かもな。学校はお勉強の場所でなくて、どっぷり骨の髄まで学問につかる人生…

浜名湖夜光虫ツアー

昨年7月ごろにベテラン岩崎先生の案内で自主ゼミ「ガバナンス研究会」「新入生セミナー」の有志で浜名湖をカヌーで漕ぎました。昨日そのときの映像をもらったので、よかったらご覧あれ。(重くてすみません。76MB。mpeg形式real playerなどで鑑賞できます。…

ガバナンス研究会 予餞会

昨日はわたしたちの自主ゼミ「ガバナンス研究会」の予餞会でした。卒業生たちの追い出しコンパです。「情報学」そして「ガバナンス」「倫理」、大切なものでありながらなかなかとらえどころのない難しいテーマです。これに正面から取り組み、そして今後も取…

シラバス書きのグチ

ここのところ試験卒論その他の仕事がいろいろあって忙しいけれど、来年度のシラバス作成もひとつだ。私は二つのことを同時並行で進めることが苦手なので、今年度の授業が終わりきらないうちに来年度の計画を立てなければならないのがけっこうきつい。そんな…

春に寄せて

「善人なおもて往生す」「希望」という言葉は絶望を知る人のためのものなのだろう。「生」という言葉は死を知る人のためのものなのだろう。「意味」は無常と、「愛」は孤独と、「和」は怒りと切り離せないものなれば、命の深さは誰にも量りしれない。その量…

「ユニバーサル・デザイン」のパブリック・コメント

反省した勢いで、一矢報いる戦略を探す。いま浜松市では「ユニバーサル・デザイン推進計画(案)」に関するパブリックコメントを実施中だ。23日まで。まだいける。これだ!【基本目標(3)安心・安全なまちづくり】を見よう。お、浜松市の過去のユニバーサ…

自転車優先の交差点とは

浜松の交通政策は、自動車優先で歩行者や自転車を邪魔者扱いしており、それで中心部を活性化だの、副都心だの、まるっきり矛盾したことを言っていて、よくわからんなー。何を考えているのかなー。何も考えてないのかなー。何度かそんなことを書いてきた。そ…

基地のある町

浜松には航空自衛隊の基地がある。よく訓練の爆音が響いてくるし、通勤途中で目の前をE-767かな、巨大な警戒機が横切ることもある。僕の中で自衛隊は、なぜか「辺境」のイメージがある。十勝の雪の原野、樹林の広がる富士山の裾野、日本海の深い入り江の内奥…

「哲学の辺境」 オリエントのオリエンタリスト

僕は、浜松のことを心の中で「哲学の辺境」と呼んでいた。なぜなら、この町では哲学的な思いは意識されにくいように感じていたから。浜松には「谷島屋」という大きな本屋がある。サイードの『オリエンタリズム』(平凡社ライブラリー)を購入しようと思って…

センター試験から

センター試験が終わってひといき。受験生も緊張しているけど、負けないぐらい大学側も気を使っている。自分が受験したときもそうだったんだろうなーとふと思ったり。大学側としては、できるだけ条件が均等になるよう、よいコンディションで受験できるよう、…

海を見た午後のひととき

最近、このブログはほとんど自分だけの思考ノート化している。6日の文章なんて、ほとんど誰が読んでも意味不明だろうな、と苦笑しつつ。まあいいか。窓から海を見ると、普段は空と海の境界もはっきりしないで広がっている遠州灘に、太陽の照り返しがぎらぎら…

事例からの倫理、事例からの哲学 2007年の抱負

従来からの抽象的な哲学・倫理学理論というのがある。これに対して、個別性と自分、特定の社会、時代と出来事を無視しない事例からの倫理・哲学のあり方を求めている。まったく個別的な議論は学問としての価値を持たないだろう。倫理は、言葉にさえならない…

謹賀新年 時の流れに身を任せ

今年もよろしく。ここには日々の思いつきや感想、批評めいたことしか書いていないけれど、それはそれで自分の考えを整理するきっかけにはなっているようです。ときどき見てくれてる学生や遠くの友人がいるようなので、今年もあれこれ書いていこうと思ってい…

品と粋 自動車テクノロジー

自動車ってテクノロジーはなんだか下品な気がする。日本では、たくさんの人が自動車を利用し、たくさんの人が自動車産業に関わっているので言いにくい命題ではあるが(だけど私はそう思ってきた)。ただ、私自身も自動車に乗るようになり、またそのテクノロ…

アーレントとジェイコブズ

教員同士の研究会でアーレント『人間の条件』(前半)の研究会があって、たいへん刺激を受けたので、忘れないうちに書いておこう。アーレントは古代ギリシャにおいて、公的領域と私的領域がはっきり区別されていたと想定する。そして、ここからは次回の研究…

「アイ・ロボット」(映画)

「アイ・ロボット」という映画がある。眠れない夜になぜかこれを観る気になって鑑賞したので、ネタばれしない程度にコメントしておこう。人工知能、そしてロボットがこころを持ちうるのかという古典的なテーマを、アシモフの『私はロボット』(ハヤカワ)に…

思考停止問題2

思考停止については、批判によって対処できる。ただし、批判もまた思考停止的に生じることもある。私自身も何度も何度も、思考停止的に権力批判や資本主義批判、技術批判を繰り返してきた。それは批判と言うよりも、もはや単なる攻撃だ。それは動機がどうで…

思考停止問題1

小森陽一『レイシズム』とJ.ジェイコブズ『市場の倫理 統治の倫理』に共通するエートスがある。合理的な批判精神が倫理の戦略であるということ。小森によれば、レイシズム(人種差別など)は、特定の集団的特長に対して無根拠に価値付けされた言葉を、無批判…